不採用通知や不快に感じる面接など、自分にとって理想の仕事を見つける過程では、さまざまなストレスがたまります。就職活動を行っているうちに自分の状況が絶望的だと感じてしまうこともあるかもしれません。
就職活動に起因するうつの症状は現実に存在するものであり、決して軽視できるものではありません。求職活動によるストレスは、不安やうつなどの感情的・精神的な問題につながると言われています。
この記事では、前向きな気持ちで就職活動を乗り切る方法をご紹介できればとおもいます。
就活うつは本当に存在するのか?
うつ病は一般的な精神疾患です。しかし、「就活うつ」は、落ち込んだ気持ちが就活のためにあるという点が特徴です。
就職活動中は、拒絶された感覚、ストレス、不安、そして将来に対する悲観的な感情で心がいっぱいになることがあるかもしれません。このような複雑な感情や気分の変動は、就職活動にとって更なる悪影響をおよぼします。
例えば、就職活動で不採用通知ばかりつづくと、自尊心や自己肯定感が低くなります。 また、自分という人間を完全に受け入れることができなくなります。そして、自分の能力に自信が持てないことでナチュラルな素の自分で面接に臨むことができなくなってしまいます。
面接で失敗するたびに、自分の不甲斐なさを感じてしまうことで、自分のもつ力を最大限に発揮して面接に挑むことができなくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
失業期間や転職活動の期間が長ければ長いほど、自分が満足いく仕事を見つけられるかどうか、気が滅入ってしまうかもしれません。
残念ながら、仕事のことで落ち込んでいると、就職活動意外の他のことにも影響が及んできます。就職活動において絶望を感じることは、キャリアプランにとどまらず、個人的な人間関係や、ひいては人生にまで影響を及ぼしてしまうのです。
就職活動に起因して、自分がうつ病になってしまったの疑わしい場合は、以下のチェック項目を確認してみてください。
1. 悲しく憂うつな気分が⼀⽇中続く
2. これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない
3. ⾷欲が減る、あるいは増す
4. 眠れない、あるいは寝すぎる
5. イライラする、怒りっぽくなる
6. 疲れやすく、何もやる気になれない
7. ⾃分に価値がないように思える
8. 集中⼒がなくなる、物事が決断できない
9. 死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う
厚生労働省 うつ病について
うつ病の症状は、始めのうち、こころの不調ではなく体の不調や⾏動の問題として現れることがほとんどです。⾷欲や睡眠の変化、体のだるさ、⽣気がない、頭痛・ めまい・吐き気といった体の症状、ひきこもり、暴⼒や攻撃的な⾏動などとして表現されることもあります。
上記の1-9のうち5つ以上(1か2を含む)が2週間以上続いていたら、専⾨家に相談することをお勧めします。
就職活動がうつを引きを超す原因になるのはなぜ?
就職活動でうつになる理由と、就職活動でうつに至ってしまうまでのよくあるシナリオを見てみましょう。
そもそも自分の適性にあった仕事に応募していない
例えば、以前の職場であなたが経験豊かなプロジェクトマネージャーだったとします。しかし、自分がまだもっていない資格があった方が好まれたり、未経験分野の仕事に応募したりしても、おそらく採用される確率はぐっとさがってしまうでしょう。
就職活動中に絶望感をいだいてしまうことがあるのであれば、それは自分に合わない仕事に応募つづけている可能性があります。
応募している仕事に適したスキルを持っていないかもしれません。あるいは、自分がその会社のカルチャーに合っていないのかもしれません。
応募先の企業にも、さまざまな要素があることを忘れないでください。
あなたがそのポジションの規定時間、仕事量、給与、福利厚生、立地などを考慮するように、企業にも求められる資質があります。採用企業は、あなたがその企業や配属先の部署のカルチャーにマッチするか見極める必要があるのです。
自分が理想とする仕事と現状のスキルにギャップがある場合、まずは自分の現状にあった会社に切り替えて就職活動を行い、次の職場で働きながら資格をとるなどして段階を踏み、安定した心で、再度転職を行うことも視野に入れましょう。
不採用通知がつづいたとしても、それが「自分という人間に対しての評価」と考えないようにしましょう。
プレッシャー
就職活動でうつになる最大の理由の1つは、経済的なプレッシャーです。
特に、現在失業中であればなおさらです。家族を養うための心配は、深刻なストレスになります。また、学生ローン、住宅ローン、車のローンなどは、雇用の状態に関わらず支払わなければなりません。
このような家族や友人からのプレッシャーは、人間関係をこじらせたり、住宅のストレスになったりします。
周囲からのプレッシャー以外にも、自分で自分にプレッシャーをかけることで、非現実的な期待を抱くようになります。そして、その期待に応えられないと、さらに精神的・肉体的なストレスを抱え込み、燃え尽き症候群に陥ってしまったり、身体が疲れきってしまったりするのです。
就活うつを克服するためのヒント
就職活動中に感じる不安感は、考え方と行動を変えることで軽減することが可能です。ここでは、就職活動中に感じる不安感に対処するためのアドバイスをご紹介します。
不採用だった場合の心の準備をしておく
当然、仕事が決まることもあれば、決まらないこともあります。
今回応募した自分の理想とする仕事に就けなかったとしても、「受け入れてもらえなかった」という気持ちよりも、その経験から何を学べるかに注目しましょう。
可能であれば不採用になった企業にフィードバックを求めましょう。
そこからどう学べるのかを考えることができるからです。失業中にうけた私は外資系の企業5次面接で英語力が足りないというフィードバックをもらいチャンスを逃して絶望的になりましたが、すぐに面接対策を突破するためオンラインのビジネス英会話を始めその後、徐々に自信がつき最終的に良い結果につながりました。
フィードバックをもらえると具体的に何が足りなかったのかあるいは、ミスマッチだったのかわかるの今後の就職活動に役立てることができます。
タスクを整理する
例えば応募する求人情報をリストアップし、面接日、連絡先、質問事項などを書き出します。
このように、就職活動を小さなタスクに分割して見える化することにより、何をすべきか把握しやすくなります。
楽観的 な思考に切り替える
就職活動中にもっと楽観的になることを心がければ、前向きな姿勢を保つことで積極的に自信をもって行動することができるようになります。採用企業にとっても、前向きな姿勢の候補者は能力が高いように見えます。たとえ適切なスキルや経験がなくても、楽観的で自信に満ちたエネルギーを持って面接に臨めば、あなたは魅力的にみえる確率は高くなるはずです。
物事を前向きに考えることができれば、精神的にも健康な状態を保つことができます。
ちなみに、楽観的な考え方は心臓病のリスクを減らし、寿命を延ばすともいわれています。
ネガティブな考えで頭の中いっぱいになってしまうことは危険です。代わりに、自分の良いところを書き出してみるなどして、負の連鎖から抜け出しましょう。書いたり声に出したりアウトプットすることで自己肯定感アップにもつながります。是非ためしてください。
現在の状況が「あなたという人間」を定義するものではないことを理解する
就職活動の結果がどうであれ、不採用になった回数がどうであれ、現在の状況があなたを定義するものではないことは絶対に忘れないでください。
これはいくらですか
1万円です
この1万円札にはいくらの価値がありますか?
1万円です
この1万円札が誰かに踏みつけられて汚された場合、この1万円札の価値はいくらになりますか?
1万円です
では、この1万円札をぐしゃぐしゃにまるめたらこの一万円札の価値はいくらになりますか?
1万円です
そうです。この1万円札は、踏みつけられもぐしゃぐしゃに丸められても1万円札は1万円札のままの価値がありますよね。
これと全く同じことが私たちにとっても言えることです。他人にどう扱われようと「自分という人間の価値」は全く変わらないのです。
この本質をよく覚えておいてください。
実は、1万円は100ドル札という設定で、海外の動画で見た内容なのですが、当時の私にとっては、稲妻に打たれたごとくの衝撃だったのでシェアしました。
「人にどのように扱れようと、物事の本質かわらない」というこの「当たり前のこと」を、私たちは忘れてしまいです。
就職活動で不採用通知を何度も受け取っているうちに、「自分は劣っている人間なのではないか」とか「自分には能力がないのではないか」という思いに囚われてしまうこともあるかとおもいます。実際に私はそうでした。どんどん自分に自信がなくなり涙が出てきてしまうこともありました。
転職活動における絶望感が、燃え尽き症候群や精神的な疲労の原因にならないようにしましょう。
うつかもしれないと思った時はまずは、心療内科や、相談窓口にコンタクトをとってみてください。
うつは、厚生労働省によると日本人の15人にひとりが1生のうちにかかるといわれているありふれた病気です。あなたも例外ではありません。早期発見と適切な治療が必要です。
まとめ
不採用通知がつづいたとしても、それが「自分という人間に対しての評価」と捉えないようにしてください。
理想とする企業と自分の現状になにかしらのギャップがあるかのうせいがありますが、それはあなたの能力が否定されていることではなく、マッチしていないということです。
フィードバックがもらえる場合は積極に聞いてみるのもひとつ。行うべきタスクの洗い出しと現状の確認をおこない、できるだけなるべく前向きに考えてみてください。
近道を急ぐのではなく、心と身体の健康の安定を優先しましょう。
失業中の場合はまず現状の自分のスキルに会っ就職先に一時的に就職することにより経済的な安定を取り戻してから次のステップへの準備を行うことも視野に入れましょう。
すでにうつ病の傾向がある場合は専門家への相談をすることをおすすめします。
- 困ったときの相談先(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/index.html
- こころの健康相談統一ダイヤル(厚生労働省)0570-064-556